プログラムのねらい
身の回りには学びのタネがたくさん隠されてます。磁石や鉄もその一つ。
身の回りにはこれらを使った製品が当たり前のようにあります。なぜそこに磁石やその金属が使われている のか、その仕組みはどのようになっているのかを考えずに過ごしている日常を見つめなおし、活動を通してリアリティのある知識を身に着けることを目的としています。
実施概要
実施日時 | 2020年10月24日〜12月16日 (全8回) |
会場 | みなと科学館・増上寺・自宅・その他砂鉄を集める場所 |
参加者 | 小学4年生から中学2年生 7名 |
第1回:科学館で磁石を探そう!
実施概要
実施日時 | 2020年10月24日(土)13:30~15:30 |
会場 | みなと科学館 |
参加者 | 小学4年生から中学2年生 5名 |
子どもたちの活動の様子
本日から「港区学びの達人プロジェクト」が開始されました。
港区の子どもたちに最初にだされたミッションは「磁石をもってきて!」です。みなと科学館に集合した子どもたちは、まず、科学館の中で磁石はどこに使われているのか、クリップを片手に探しました。磁石はどこにあるのか「予想をたてて取り組む子どもたち」、「とりあえず、どこにでもクリップをつけて磁石の場所を探す子どもたち」など、アプローチはさまざまです。自動券売機や洗面所などたくさんの場所にクリップがつくことがわかりました。
次に、「なぜそこに磁石が使われているのか」という疑問を通して、磁石の特性について考えました。特性を知った子どもたちへの次回のミッションは、「家や街の中で磁石を探してくる」ことです。どんな場所に磁石が使われているのでしょうか?子どもたちの発見が楽しみです。
第2回:見つけた磁石を発表しよう
実施概要
実施日時 | 2020年11月4日(水)15:00~16:00 |
会場 | オンライン |
参加者 | 小学4年生から中学2年生 6名 |
子どもたちの活動の様子
前回に提示した次週までのミッション「家や街で磁石を探してきて!」を確認し、参加者が見つけてきた磁石をオンラインで発表し合いました。マグネット磁石や棒磁石などを持参した子どもたち。もう一度家の中を探すように伝えると、冷蔵庫や電子レンジなどもクリップにくっつくことを発見しました。家の中をよく観察すると、磁石が使用されているものがたくさんありますね。
その後、電子レンジや炊飯器に使用されている磁石の仕組み、磁石の種類、磁石の歴史等の関連する情報を紹介し、興味関心を広がっていきました。次回のミッションは、「磁石にくっつく鉄を持ってきて」です。
第3回:見つけた鉄を発表しよう
実施概要
実施日時 | 2020年11月11日(水)15:00~16:00 |
会場 | オンライン |
参加者 | 小学4年生から中学2年生 6名 |
子どもたちの活動の様子
前回に提示した次週までのミッション「鉄を持ってきて」を確認し、子どもたちが見つけてきた鉄をオンラインで発表し合いました。今回も、まずは自分が集めた鉄を発表し、他の参加者や講師が持ってきたものをみてから、再度、家の中を探す時間を設けました。
他の人の発表を聞くと、俄然と自分の家の見え方がかわるようで、たくさんの物が発見できるようです。
その後、「鉄火巻」「鉄漿」など「鉄」を使った言葉、鉄骨や鉄筋コンクリートなどの構造物の違い、鉄と他の金属の違いについて等、関連する情報を紹介しました。「鉄」という言葉一つとっても、学びは広がりませすね。それぞれの興味関心によって、さらに学びは広がりそうです。次回のミッションは、「砂鉄を集めてこよう」です。砂鉄が取れる場所はみなさんの近所にもありそうですね。
第4回:集めた砂鉄を比べよう
実施概要
実施日時 | 2020年11月18日(水)15:30~16:45 |
会場 | みなと科学館 |
参加者 | 小学4年生から中学2年生 5名 |
子どもたちの活動の様子
集めてきた砂鉄を電子顕微鏡と光学顕微鏡で観察しました。採取した場所で形や色、大きさが違うことを発見しました。また、自分の見たいものを自宅から持ってきて、顕微鏡で観察してみました。
科学館の方が用意してくれた「顕微鏡クイズ」では、大きくなると実体が何かわからず、なかなか手強いものでした。塩と砂糖など見た目では違いがわかりにくものも、顕微鏡で見ると違いが明らかです。その後、「砂鉄が砂浜になるのに、なぜ錆びないのか」という疑問がわき、砂鉄と鉄クリップを塩水につけて、実験することにしました。来週どんな結果がでるか楽しみです。
第5回:砂鉄は錆びる?
実施概要
実施日時 | 2020年11月25日(水)15:30~16:45 |
会場 | みなと科学館 |
参加者 | 小学4年生から中学2年生 4名 |
子どもたちの活動の様子
先週、「砂鉄が砂浜になるのに、なぜ錆びないのか」という疑問から実験した塩水につけた「砂鉄と鉄クリップ」はどうなっているでしょう?結果はみごとにクリップはさびだらけです。砂鉄の成分は酸化鉄。いわゆる黒錆びです。これ以上錆びない鉄だということがわかりました。
その後、カイロの中身の鉄を使って、空気に触れるとどうなるか、熱するとどうなるかを考えました。カイロがなぜ暖かくなるのかを考え、鉄がさびると熱がでることを利用していることがわかりました。化学は、身近なところにたくさん潜んでいますね。
第6回:サビの種類・サビの価値
実施概要
実施日時 | 2020年12月2日(水)15:00~16:00 |
会場 | オンライン |
参加者 | 小学4年生から中学2年生 6名 |
子どもたちの活動の様子
前回までの科学館での観察や実験の結果を整理しました。「砂鉄が取れた場所によって形や大きさが違ったこと」や、「砂鉄が塩水につけても錆びないのは、鉄をバーナーで熱したときにできる黒サビであること」などを確認しました。その後、参加者が次までに調べたいと挙げた疑問である「サビとカビの違い」「黒サビと赤サビの違い」について、各自が調べた結果を発表しました。
さらに、サビの種類から錆びにくい金属、砂鉄の価値について学びました。港区といえば、「お寺」が上がるほど、歴史あるお寺がたくさんあります。古いお寺には、さびにくい砂鉄を利用した和釘が残っているでしょうか。昔の鉄を探すために次週は港区内の古い建造物である増上寺に行くことになりました。
第7回:昔の鉄を探しに行こう
実施概要
実施日時 | 2020年12月9日(水)15:00~16:00 |
会場 | 増上寺 |
参加者 | 小学4年生から中学2年生 6名 |
子どもたちの活動の様子
今日のミッションは、「昔の鉄を探しに行こう!」です。
港区に古くからある増上寺を散策し、昔の鉄を探しに行きました。さて、増上寺には、建築物を支える千年の釘は錆びずに存在するのでしょうか。増上寺の住職さんや教務部の方に増上寺の中でも特に古い建物を教えてもらいました。「三解脱門」と「黒門」が古い建物のようです。特別に「三解脱門」の中に入れていただき、幻想的な光景を目の当たりにした子どもたち。懐中電灯や磁石をもって、山門や門の継ぎ目を隈なくさがし始めました。
和釘らしきものがいくつかみつかり、来週その釘についたさびについても考えることにしました。
第8回:サビを落とそう
実施概要
実施日時 | 2020年12月16日(水)15:30~16:45 |
会場 | みなと科学館 |
参加者 | 小学4年生から中学2年生 5名 |
子どもたちの活動の様子
増上寺では、千年の釘らしき「和釘」をみつけることができましたが、そこにはべっとりとサビがこびりついていました。長い年月をかけてこびりついたサビを落とすにはどうしたらいいのでしょう。
今回は、増上寺の釘のサビではなく、家から持ってきた物のサビを落とすことにしました。年末のお手伝いにぴったりのミッションです。まず、サビの特性を考えました。紙やすりや洗濯洗剤、クエン酸、重曹などさまざまな道具を活用して、試行錯誤をしながらサビを落とす方法を探りました。同じ方法をずっとやり続ける子ども、いろいろな道具を試す子ども、友達の作業をみている子どもなど、アプローチはさまざまです。汚れやサビを落とすことも立派な科学です。身の回りには学びがたくさん転がっていますね。