プログラムのねらい
港区にたくさん存在する坂をテーマに、正解が一つではない課題について自分の頭と体を使 って考え、実際に試行錯誤することの楽しさを体験させることを大きな目的としています。
「坂の勾配を測る」活動から、身近な坂の成り立ちに疑問をもつこと、目の錯覚と身体感覚の違い、さらには算数/数学や物理、地理歴史等の教科の学習の必然性に気づかせることも目的としています。
実施概要
実施日時 | 2021年12月4日~12月27日(全3回) |
会場 | みなと科学館・オンライン・港区の坂 |
参加者 | 小学4年生から中学3年生 14名 |
第1回:一番急な坂を探せ
実施概要
実施日時 | 2021年12月4日(土) 14:30~16:30 |
会場 | 港区教育センター会議室(みなと科学館4階) |
参加者 | 小学4年生から中3年生 11名 |
子どもたちの活動の様子
今回のテーマは、坂。
プログラムは、「港区に坂が多いのはなんでだろう?急な坂はどこにあるのだろう?」という講師の問いかけからはじまりました。「急な坂ってどんな坂?」「坂の“急さ”ってどうやったらわかるの?」と子どもたちにさらに、疑問を投げかけます。まずは科学館の中の2種類の階段の急さを30センチ定規や分度器をもって測定してみました。「見た目はこっちが急だけど、測ってみたら違うかも」「これは錯覚か!」などと発見が始まります。
次に、実際の坂を測ろうと、まずは、限られたアイテムで測定道具を作成することにしました。ボールやペットボトル、ビー玉、ヒモなどを使用し、「水槽」「棒と定規」「球をころがす」などいろいろなアイデアがでました。次回は、オリジナルの測定道具を使って、自分の家の周りの坂の角度を測ってくることになりました。
第2回:自分の家の周りの坂を測ってきて
実施概要
実施日時 | 2021年12月15日(水) 16:00~17:00 |
会場 | オンライン |
参加者 | 小学4年生から中学3年生 12名 |
子どもたちの活動の様子
今回は、それぞれが自分の方法で測定してきた坂についてオンラインで発表しました。
港区の坂、「全部まわってきました!」と意気揚々と発表した子、「ビー玉を転がすのを2回やってみた」とたくさんの坂で実施した子、みんなが見たことない“武器”(道具)で測定して他のメンバーをうならせた子、「きれいな三角形でした」と坂の角度がわかる写真をとってきてくれた子、みなさんの坂への情熱が伝わってきました。講師から、香川県の屋島ドライブウェイの「ミステリー坂」の紹介をし、人間の錯覚・錯視の仕組みについて一緒に考えました。
次回は、科学館に集合して、港区の急と言われる坂を測ってみることになりました。
第3回:港区の急な坂を測ってみよう
実施概要
実施日時 | 2021年12月27日(月) 13:30~16:30 |
会場 | ①愛宕坂(階段)②江戸見坂 ③道源寺 |
参加者 | 小学4年生から中学3年生 12名 |
子どもたちの活動の様子
今回で、坂のプログラムは最終回です。
科学館の周りの坂、①愛宕坂(階段)②江戸見坂 ③道源寺坂をみんなで測定して、自分達の家の近所の坂とどちらが急かを比較することになりました。まずは、候補となる坂を確認し、自分の測定の方法を見直し、測定道具を修正しました。準備ができたら、いよいよ実測に向かいます。
まずは愛宕坂(男坂)。写真でみるよりも壁のように圧迫感のある急な階段に子どもたちはびっくりしながらも、板を渡したりビー玉を転がしたり、段差を測定したりしていました。
次に江戸見坂。途中で曲がっている!ので思ったようにいかないながらも、いろいろな場所を測定していました。最後に道源寺坂。場所によって傾斜がちがう!その中から一番急なところを探そうと何度も測定する姿がみられました。
実際の坂をみてみないと、頭の中で考えていた測定道具だけでは正確な角度は計れなそうです。
科学館に戻り、計測結果を共有しました。角度の正確性だけでなく、自分のセンサー(体感)やモノサシ(目測)もつかってみようと講師から提案がありました。まずは、自分で試してみることが大切ですね。 体を使って試した子どもたちは、さらに「学びの達人」に近づいたようです。