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港区学びの達人プロジェクト

2022 ABLプログラム「ひらめきの科学」(全2回)

プログラムのねらい

算数や数学の問題や作文のネタ、図工や美術のアイデアなど、小中学生にはひらめかなくてはいけないことがたくさん。学校だけでなく家の中でも、お休みの日に何をしようか、親やきょうだいとのけんかをどうやって解決しようか、アイデアをもとめられることもあります。でもひらめくのって、ちょっとむずかしい…苦手だな…と思っている人も多いのではないでしょうか。

身の回りのモノの見方をちょっと変えてみる、視点を変えてみると思わぬ発見があることも。それがひらめきにつながったりすることがあります。ひらめくことは人生を豊かにすること。今回は冬休みを使って、そんな「ひらめきのコツ」をひらめきのプロの映像作家さんとともにひもといていきます。

実施概要

実施日時2022年12月21日〜2023年1月6日(全2回)
会場みなと科学館
参加登録者小学4年生から中学2年生 21名

第1回目:ひらめきとは? モノゴトを多角的にみてみよう!

実施概要

実施日時2022年12月21日(水)
会場みなと科学館
参加者小学4年生から中学2年生 17名

活動の様子

今回のテーマは「ひらめき」。「ひらめくためには何が必要でしょう」という質問にはあまりひらめけない子どもたちも、「このビーカー、本来の使い道以外の使い方を考えて」というと、おそるおそる「ピタゴラスイッチのゴール」「台」「ペン立て」「ブックエンド」「〇を書く」など、おもしろいアイデアをいろいろ出してくれました。

ひらめくために必要なことの一つの要素に、一つの見方に縛られずにモノを見る姿勢が挙げられます。例えば雲の写真。何の変哲もない雲がある見方によっては鳥に、他の見方によっては飛行機に見えたりしませんか?子どもたちも「自分でやってみたい!」ということで、それぞれのiPadで科学館の中でモチーフを探し、違う見方をひらめく活動を行ないました。壁の模様や床の排水溝など、モチーフをみつける子どもたちの視点はさまざま。いつもなら見過ごしてしまうような小さい、細かいものに着目するその着眼点はもしかしたら大人にはないものかもしれません。写真を撮って戻ってきて、iPadの写真のマークアップ機能で視点を変えてみました。壁の模様は人間の顔に、排水溝はキウイフルーツに、床はテトリス、撮影用のカメラはワニ、みんなのジャンパーがかかったラックは魚のうろこ。自分だけでなく他の人の視点を見せてもらうことでまた視野がぐっと広がりました。

視点の転換は写真だけでなく、日々の生活にも応用できます。「みんな最近失敗したことある?」「失敗も視点を変えれば失敗じゃなくなるかもしれないね」と、スタッフの失敗を例に挙げると、子どもたちも同じように最近の失敗を失敗じゃなくする発表をしてくれました。「水筒を忘れたけど、マックで飲み物を買えた」「料理の分量まちがえてつくりすぎちゃったけど、そのおかげでしばらくごはんに困らない」等いろいろ出てきました。視点を変えるひらめきは、日常を少し楽しくします。

最後に、次回のゲスト講師である映像作家のくろやなぎてっぺいさんから、次回までの宿題「失敗ハンターになって失敗写真を撮ってくる」が動画メッセージで伝えられました。今日のプログラムは、ここで終了です。次回、子どもたちは、どんな失敗写真をもってきてくれるでしょう。

子どもたちのひらめき写真を共有している様子
てっぺい先生からのメッセージ動画をみている様子

第2回⽬:ひらめきの実践! 失敗を成功に変えよう!

実施概要

実施日時2023年1月6日(木)
会場みなと科学館
参加者小学4年生から中学3年生 16名

活動の様子

ひらめきのプロである映像作家のくろやなぎてっぺい先生(https://www.nipppon.com/)の自己紹介から今回のプログラムはスタートしました。前回に動画で「失敗ハンターになる」ミッションを出してくれた先生です。「ひらめきってなんだろう?」「ひらめくためのコツってなんだろう?」の問いかけから、「見るから、観る」という先生独自の観点を紹介してもらい、ひらめくための練習開始。「空に浮かんでいるさまざまな形の雲はどのように見えるかな?」鳥、蛇、くじら、飛行機などさまざまな発言が飛び出しました。

前回に引き続いて確認した”ひらめきのコツ”は「一つの見方にしばられないこと」。ひらめきワークその1として、雨が地面に波紋をつくる写真を「楽しく」する課題をしました。波紋となった〇を雪だるまにしたり、タイヤにしたり、人間や動物の目にしたり、トイレを掃除する道具にしたり!さまざまなアイデアが共有されました。

一つの見方にしばられない練習をした後で、ひらめきワークその2に。それぞれが集めてきた失敗を楽しくするワークです。失敗しなかった子どもたちには、スタッフの失敗(コップを割った・焦げたお餅が網にこびりついた)写真を楽しいものに変えるお手伝いをしてもらいました。「年末に出し忘れたゴミ」からはきれいな花が咲き、焦げ付いた網はお魚に、割れたマグカップは今年の干支のウサギやクリスマスプレゼントに変化しました。

まとめとして、髙橋先生から、「新しい発想は、特別な人だけが持っているものでなく、誰もが持っている。一人で考えるのもいいし、まわりの発想をとりいれながらオリジナルな発想を考えていくこともいい。」と、日常や身近なものをよく観て楽しむ視点が伝えられました。また、てっぺい先生からは「発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目を持つことなのだ。」というフランスの小説家、マルセル・ブルーストの言葉が贈られ、「ひらめき視点で毎日をハッピーに過ごす学びの達人になろう」と締めくくられました。最後に、学びの達人証明書が一人一人に授与され今回のプログラムは終了となりました。

子供たちのひらめきワークの作品

ひらめきってなんだろう?子ども達は真剣に、楽しく考えています     
てっぺい先生の作品。空の雲にアイデアを加えると、楽しい世界になる一例のご紹介です

活動動画

参加した子どもたちからの感想(一部抜粋)

・失敗を面白くする時、いろいろなアイデアが浮かんだ。みんなの意見を聞いていてその意見をぬすんだ。(小4・女子)

・あまり見ないところをよくみると違うものにみえた。(小4・男子)

・何でも見方を変えればいろんな発想がでてくる。(小5・男子)

・失敗も成功。見方によっては良い。(小5・男子)

・ひらめくためには、自分がやったことがないことをやる。(中2・男子)

保護者からの感想(一部抜粋)

・とても楽しかったようで、いろいろな話をしてくれました。1番自信がついたのはみんなの前で話をしたこと、そして、自分と他の人との共有によっていろいろなアイディアが学べたことでした。自分の考えを新しいアイディアとして発表しそれを認知され、さらにコミュニティーでその多様性を尊重する中に咲き誇れる、という素晴らしい経験だったと思います。(小4・男子保護者)

・柔軟に考えること、多面的に捉えることが苦手なので、とても良く考えられたプログラムだと思います。学校以外で学びの場があることをありがたく思います。(小5・男子保護者)

・参加する前は失敗に抵抗があった娘ですが、参加する中で娘なりに何か失敗したことはないかな、失敗したら繰り返さない様にするだけでなくそこから良い事に変えて行けないかな、と試行錯誤する姿が見られました。控えめなところがあり今まで失敗するのが嫌だったけれど、この様な経験を通じて失敗も大切なんだと興味が湧き、失敗に向き合う勇気が出てきた様に見えました。この様な娘の様子を見ることができ、私も小さな失敗などを見過ごさず娘と何かひらめきが生まれるような会話をしていければと思いました。皆様にこの様な機会を頂き、温かくご指導して頂き心より感謝申しあげます。(小4・女子保護者)

協力会社

株式会社IMAGICA GROUP 

株式会社ピクス 

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